ツタンカーメン展と鏡100枚 ― 2012年07月18日 12:34
前の記事を書いた前日、6月最後の日に天保山で行われていた「ツタンカーメン展」に行きました。1ヶ月延長されていたので当初ほどではありませんでしたが、それでも途中ではなかなか人が進まず、困るくらいの人出でした。ただ、展示内容には正直言って、がっかりでした。というのもツタンカーメン本人に関する物の展示が少なかったからです。
黄金の仮面や棺などは来てなかったんですかね。副葬品もごく一部だったし、ちょっと拍子抜けでした。
そして、この前の3連休最後の日に地元の久保惣記念美術館に2度目の訪問をしてきました。展示されていたのは古代中国の時代から日本の江戸時代までの鏡100枚でした。最初は鏡ばかり100枚見ても何が面白いのか、考古学ファンでもないしと思っていたのですが、古い物から順に見ていくと、そのデザインの変化が実に面白い事がわかりました。
古代、鏡と言うのは神事に用いる特別な存在だったのでしょう。そのデザインには神の化身である獣が描かれています。みな円形にそって配置されどれも同じような配置です。それが時代を経ると神獣以外の動物が描かれたり、人や木、背景の景色なども描かれるようになり、もはや神器の様相は無くなっていきます。配置も円形にとらわれなくなり、ついには円形以外の形の物まで現れ、最終の江戸時代には持ち手のついたものや、コンパクトな懐鏡なども出てきます。そういえば、江戸時代まではまだガラスの鏡は無かったんですね。いやぁ、たかが鏡ですがこうやって長い時代を追っての変遷を見るのはなかなか楽しかったです。
黄金の仮面や棺などは来てなかったんですかね。副葬品もごく一部だったし、ちょっと拍子抜けでした。
そして、この前の3連休最後の日に地元の久保惣記念美術館に2度目の訪問をしてきました。展示されていたのは古代中国の時代から日本の江戸時代までの鏡100枚でした。最初は鏡ばかり100枚見ても何が面白いのか、考古学ファンでもないしと思っていたのですが、古い物から順に見ていくと、そのデザインの変化が実に面白い事がわかりました。
古代、鏡と言うのは神事に用いる特別な存在だったのでしょう。そのデザインには神の化身である獣が描かれています。みな円形にそって配置されどれも同じような配置です。それが時代を経ると神獣以外の動物が描かれたり、人や木、背景の景色なども描かれるようになり、もはや神器の様相は無くなっていきます。配置も円形にとらわれなくなり、ついには円形以外の形の物まで現れ、最終の江戸時代には持ち手のついたものや、コンパクトな懐鏡なども出てきます。そういえば、江戸時代まではまだガラスの鏡は無かったんですね。いやぁ、たかが鏡ですがこうやって長い時代を追っての変遷を見るのはなかなか楽しかったです。
曾我蕭白&写楽・北斎 ― 2012年07月01日 12:20

先週末の日曜日、三重県の2つの美術館をはしごしてきました。
三重県立美術館では「蕭白ショック!! 曾我蕭白と京の画家たち」を、パラミタミュージアムでは「四大浮世絵師展」の前期の「写楽・北斎」を見てきました。
曽我蕭白のほうは、本で見ていた作品の実物を多数見られたので非常に面白かったです。三重県立美術館蔵の作品も何点かありましたが、多方面から集められた数々の作品はさすがに見ごたえがありました。独特の感性による作品もあれば、実に正当な技術で書かれた端正な作品もあり、作者のまれに見る才能と技術の確かさを感じました。もう一回行っても良いくらいです。
いっぽう、初めて見た浮世絵の実物ですが、版画ということで、一品物の絵画とはちょっと違う印象を受けました。特に写楽は役者絵ばかりですが、北斎は富嶽三十六景など風景画的なものもたくさんあるので、親しみやすさを感じました。赤富士など見覚えのある作品も多数あったので面白かったです。単純な印象では北斎の方がいいなあ。
三重県立美術館では「蕭白ショック!! 曾我蕭白と京の画家たち」を、パラミタミュージアムでは「四大浮世絵師展」の前期の「写楽・北斎」を見てきました。
曽我蕭白のほうは、本で見ていた作品の実物を多数見られたので非常に面白かったです。三重県立美術館蔵の作品も何点かありましたが、多方面から集められた数々の作品はさすがに見ごたえがありました。独特の感性による作品もあれば、実に正当な技術で書かれた端正な作品もあり、作者のまれに見る才能と技術の確かさを感じました。もう一回行っても良いくらいです。
いっぽう、初めて見た浮世絵の実物ですが、版画ということで、一品物の絵画とはちょっと違う印象を受けました。特に写楽は役者絵ばかりですが、北斎は富嶽三十六景など風景画的なものもたくさんあるので、親しみやすさを感じました。赤富士など見覚えのある作品も多数あったので面白かったです。単純な印象では北斎の方がいいなあ。
土佐派の絵の精緻さ ― 2012年05月22日 12:48
今回のパラミタミュージアムでは土佐光起の扇絵、前回の久保惣記念美術館では土佐光成の新三十六歌仙図帖をみましたが、とにかくその絵の精緻さには本当に驚きます。
人物の着物の柄や女性の髪、背景の部屋の襖絵や庭の草まで、とにかく、良くここまで細かく書き込んだものだと、ほとほと感心します。背丈わずか10cmほどの人物画をここまでするのかという感じです。その技術やどんな道具で描いているのかと興味は尽きません。
人物の着物の柄や女性の髪、背景の部屋の襖絵や庭の草まで、とにかく、良くここまで細かく書き込んだものだと、ほとほと感心します。背丈わずか10cmほどの人物画をここまでするのかという感じです。その技術やどんな道具で描いているのかと興味は尽きません。
横山大観を見に遠出 ― 2012年05月21日 12:37
先週に続き、この日曜日も絵を見に行ってきました。
三重県四日市の近くにある、パラミタミュージアムまで、横山大観の絵を見たくて。でも遠いですね。仕事では松坂や四日市、更には名古屋でも日帰りしますが、自分ひとりで四日市まで往復はかなりきついです。
ただし、その甲斐は十分ありました。横山大観はやはりすごいです。もちろん大観の絵をちゃんと見るのは初めてですが、思っていた以上にすごいです。今回の展示の目玉は「不二霊峰」という屏風絵ですが、個人的にはそれよりも他に展示されていた掛け軸の絵の中にすごい!と思わせてくれるものがいくつもありました。
大観だけでなく、一緒に展示されている他の作者による絵にも、すばらしいものがたくさんありました。とくに惹かれたのは川合玉堂です。特に「山村積雪」という水墨画(?)は、すばらしいです。雪の白は素材の白を生かし、玉堂が描いているのは木や岩だけなのに、見るものの目には画面いっぱいに積もった雪が見えます。更にその後には空だけを描いて真っ白な山を印象付けさせる、すごい技術ですね。
大観と玉堂はもっともっといろんな作品を見たいと思いました。
三重県四日市の近くにある、パラミタミュージアムまで、横山大観の絵を見たくて。でも遠いですね。仕事では松坂や四日市、更には名古屋でも日帰りしますが、自分ひとりで四日市まで往復はかなりきついです。
ただし、その甲斐は十分ありました。横山大観はやはりすごいです。もちろん大観の絵をちゃんと見るのは初めてですが、思っていた以上にすごいです。今回の展示の目玉は「不二霊峰」という屏風絵ですが、個人的にはそれよりも他に展示されていた掛け軸の絵の中にすごい!と思わせてくれるものがいくつもありました。
大観だけでなく、一緒に展示されている他の作者による絵にも、すばらしいものがたくさんありました。とくに惹かれたのは川合玉堂です。特に「山村積雪」という水墨画(?)は、すばらしいです。雪の白は素材の白を生かし、玉堂が描いているのは木や岩だけなのに、見るものの目には画面いっぱいに積もった雪が見えます。更にその後には空だけを描いて真っ白な山を印象付けさせる、すごい技術ですね。
大観と玉堂はもっともっといろんな作品を見たいと思いました。
本日、美術館デビューしました。 ― 2012年05月13日 15:53
本日、美術館デビューしてきました。
場所は和泉市の久保惣記念美術館です。
現在、開館三十周年記念の特別陳列久保惣コレクション・東洋美術の名品展が開催されています。
家から車で30分という便利さもさることながら、ここのコレクションの一つ、宮本武蔵の枯木鳴鵙図が今日までの展示というのもあって、デビューの場所に選びました。
広い敷地の緑豊かな庭園の中に明るく綺麗な建物で、とても気持ちのいい美術館でした。
武蔵の枯木鳴鵙図だけでなく、伊勢物語絵巻や土佐光成の新三十六歌仙図帖、網干図屏風など素人目にもすごい!と思わせるものも沢山ありました。
さらに何とかキャンペーンとかで入館料が200円だったのも驚きました。この先もいろいろ企画があるみたいで、また何度も行きたいと思いました。私のホーム美術館になるかもしれません。
場所は和泉市の久保惣記念美術館です。
現在、開館三十周年記念の特別陳列久保惣コレクション・東洋美術の名品展が開催されています。
家から車で30分という便利さもさることながら、ここのコレクションの一つ、宮本武蔵の枯木鳴鵙図が今日までの展示というのもあって、デビューの場所に選びました。
広い敷地の緑豊かな庭園の中に明るく綺麗な建物で、とても気持ちのいい美術館でした。
武蔵の枯木鳴鵙図だけでなく、伊勢物語絵巻や土佐光成の新三十六歌仙図帖、網干図屏風など素人目にもすごい!と思わせるものも沢山ありました。
さらに何とかキャンペーンとかで入館料が200円だったのも驚きました。この先もいろいろ企画があるみたいで、また何度も行きたいと思いました。私のホーム美術館になるかもしれません。