曾我蕭白&写楽・北斎2012年07月01日 12:20

先週末の日曜日、三重県の2つの美術館をはしごしてきました。

三重県立美術館では「蕭白ショック!! 曾我蕭白と京の画家たち」を、パラミタミュージアムでは「四大浮世絵師展」の前期の「写楽・北斎」を見てきました。

曽我蕭白のほうは、本で見ていた作品の実物を多数見られたので非常に面白かったです。三重県立美術館蔵の作品も何点かありましたが、多方面から集められた数々の作品はさすがに見ごたえがありました。独特の感性による作品もあれば、実に正当な技術で書かれた端正な作品もあり、作者のまれに見る才能と技術の確かさを感じました。もう一回行っても良いくらいです。


いっぽう、初めて見た浮世絵の実物ですが、版画ということで、一品物の絵画とはちょっと違う印象を受けました。特に写楽は役者絵ばかりですが、北斎は富嶽三十六景など風景画的なものもたくさんあるので、親しみやすさを感じました。赤富士など見覚えのある作品も多数あったので面白かったです。単純な印象では北斎の方がいいなあ。

ツタンカーメン展と鏡100枚2012年07月18日 12:34

前の記事を書いた前日、6月最後の日に天保山で行われていた「ツタンカーメン展」に行きました。1ヶ月延長されていたので当初ほどではありませんでしたが、それでも途中ではなかなか人が進まず、困るくらいの人出でした。ただ、展示内容には正直言って、がっかりでした。というのもツタンカーメン本人に関する物の展示が少なかったからです。
黄金の仮面や棺などは来てなかったんですかね。副葬品もごく一部だったし、ちょっと拍子抜けでした。

そして、この前の3連休最後の日に地元の久保惣記念美術館に2度目の訪問をしてきました。展示されていたのは古代中国の時代から日本の江戸時代までの鏡100枚でした。最初は鏡ばかり100枚見ても何が面白いのか、考古学ファンでもないしと思っていたのですが、古い物から順に見ていくと、そのデザインの変化が実に面白い事がわかりました。
古代、鏡と言うのは神事に用いる特別な存在だったのでしょう。そのデザインには神の化身である獣が描かれています。みな円形にそって配置されどれも同じような配置です。それが時代を経ると神獣以外の動物が描かれたり、人や木、背景の景色なども描かれるようになり、もはや神器の様相は無くなっていきます。配置も円形にとらわれなくなり、ついには円形以外の形の物まで現れ、最終の江戸時代には持ち手のついたものや、コンパクトな懐鏡なども出てきます。そういえば、江戸時代まではまだガラスの鏡は無かったんですね。いやぁ、たかが鏡ですがこうやって長い時代を追っての変遷を見るのはなかなか楽しかったです。